先日、『終わった人』を観た。
定年後と思われる夫婦の方が
いやに目立つ。
映画館では、レア的に珍しい光景だ。
そのうちの数組の夫婦を見ていると
・男性は、嫌々なのだろう、、、
足の運びが重い、額に深いしわが刻まれている
・しかし、その反対に女性は
今までの仕返しとばかり
不敵な笑みを浮かべている。
映画が始まっても、舘ひろしの
「ダメ」ぶりが出ると
ここぞとばかりに高らかに笑う。
笑うのは女性ばかりだった。
(女は、残酷だ、それにこわい)
と、心底、思う。
さて、いつも通りに
予告篇を貼っておくので
まずは見て大まかなストーリーを
頭に入れて下さいね。
【スタッフ】
原作:内館牧子
※内館牧子、自身もジムに通う
高齢者の女性役でちょい出演している
続いて
【キャスト】
舘ひろし:田代壮介
黒木瞳:田代千草
広末涼子:浜田久里
IT会社の舞台は、
これは横浜桜木町だね。
舘ひろし、柴田恭兵主演で
一世を風靡した刑事番組
『あぶない刑事』の舞台が横浜だったから
この映画、『終わった人』でも
随所にパロディが取り上げられている。
・ハンサムな人が真面目にコメディを
すると、役柄との段差によっておもしろい。
舘ひろしさんは、コメディ向きだと
新ためて思う。なかなかいい。
・東大を出て、メガバンクに勤めても
50歳前後で、二つの道に分かれるという。
銀行本部に残る役員と
「片道切符」で取引先の会社に
出向される道との二つ。
「片道切符」とは行ったきり
銀行に戻る道はないことからだそうだ。
また、出向しても、待遇がいいとは
限らないそうだ。
銀行から融資を受けている会社が
融資元である銀行から送られてきた人間を
同じ仲間として見られないかららしい。
ここらへんは、「半沢直樹」で有名な
池井戸潤さんの小説を読んで、勉強しました。
映画でも、舘ひろし演じる田代が
東大を出てメガバンクへ。
順調に支店長になるが、
同期との出世争いに敗れ出向する。
結局、銀行本部に戻れず
専務として定年を迎える。
これを見ていて、高校の後輩を思い出した。
当時、鈴木が指導していた
バドミントン部の男子生徒。
彼は、キャプテン。
見た目は「ちゃらお」なのだが、、、
要所要所を締めて、学校の推薦で
都内有名私大に入学した。
その後は、彼なりの考えがあったのだろう、、、
地銀ナンバーワンのY銀行に入行した。
ここまでは、知っているのです。
その彼が、たしか、50歳前後なので、、、
どうしたものか?と思い出したのです。
・銀行、出向先で「経理」を歩んできた
舘ひろしが、ベンチャーのIT企業に入社し
その社長に就くのはどだい「無理」な話しだ。
22才で、銀行に入行。
50歳で出向先で専務。
一度も、「経営」をしたことがない。
そんな方に、「経営」は無理である。
「経営」には、「経理」の力も
当然必要だが一番必要なのが、、、
部下を束ねていく能力
マネージメントというが、、、
サラリーマンには
その能力は無いに等しい。
・その点、舘ひろしの妻役で出ている
黒木瞳は、女性らしい
「現実感」を忘れない女性だ。
(女は、しっかりしていると思う)
・広末涼子は、アイドルの時は
「かわいさ」いっぱいだったが、、、
消えかかると思ったが
このところ「いい役」をもらい
なかなか「いい演技」をしているので
将来もいいのではないかと思う。
この映画でも、35歳という年齢らしい
現実感あふれる女性を演じている。
・定年後の生活を丹念にあぶりだすが
そのどれもが「身に浸みる」ものだ。
・図書館
→鈴木の近所の図書館でも、
定年後の方を多く見かけるし、、、
・カルチャーセンター
→以前、講師を勤めていたセンターでも
定年後の方は多かった。
・ジム
→鈴木は、ジムに行ったことがないが
しばしば通うプールでも定年後の方は多い
(観ていてツライ)(涙)
追伸
「終わった人」の原作は、
脚本家の内館牧子。
タイトルが、まことに秀逸。
小説家とは、雲泥の差だ。
向田邦子も、タイトルはうまい。
脚本家が書く小説は、
とにかく「セリフ」がうまい。
この映画は、定年後のツライ現実を
丹念に描写している。
黒木瞳のように老後に備え
美容師として腕を磨き
開業資金1,000万円を貯めこむ
したたかさを見習うべきだね。。。
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