今日は、西浦進さんの
『日本陸軍終焉の真実
昭和戦争史の証言』を
読んでブログを書いています。
※作者の紹介
西浦氏は、陸軍大佐、
陸軍省軍務局軍事課長などを歴任。
戦前戦中は、つねに陸軍中枢で勤務。
戦後は防衛庁防衛研修所戦史室長。
ちなみに、陸軍省軍務局は
陸軍省内の人事を司る
エリートコースの部署です。
いつの時でも、「人事」を
担当する部署は、最優秀な人が付きます。
そこの課長ですから、
超エリート、と考えていい。
今で言うなら、財務省の予算を司る
主計局の課長と同じレベルです。
また、課長といっても
ある会社の課長と
日本国の官僚の課長とは
全然、「重さ」が違います
官僚の課長級は、日本の地方行政を
実質、「指導」しているのです。
<敗軍の将兵を語らずというのは、
古来東洋の一つの道徳である。
しかしそれでは、この民族の血と肉とを傾けて、
戦った十数年にわたる戦争の記録は、
遂に、表面に出た、
ゆがめられたもののみしか、残らぬことになる>
→ 日本軍は、「敗北」必死になると
証拠として残してはいけない文書は
すべて廃棄しました。
しかし、戦勝国である「アメリカ」は
その後に行った「ベトナム戦争」の
大敗北の中でも膨大な資料を残しました。
アメリカは、「後世」に
その「敗北」の歴史を残した。
今後、同じ過ちをしないように
するために。
しかし、日本は、反対に、
敗北の結果を焼いて消失させ
過去の歴史を「水に流した」のです。
<陸軍大学校卒業後のほとんど大部分を
軍事課に勤務したことになり、
その間、満州事変、シナ事変、大東亜戦争の
中央部勤務を身を以って体験した。
従って、今から述べる私の記録も、
一面から見れば軍務局の裏面史とも言える>
→ 陸軍大学校に入学できるのは
陸軍士官学校を最優秀な成績で卒業した者のみ。
また、前線に行かずに
中央部勤務をしたのですから、、、
いかに、「優秀」だったかが、わかる。
<軍事課ではいろいろな人がいたが、
中でも異色があったのは、
何といっても鈴木貞一中佐であった。
後の企画院総裁として
近衛、東条内閣に歴任し、
さらに退官後は産報会長として
随分幅の広い活動面を持った人であった。
確かに当時、中佐時代から変わった人であった。
非常な読書家であり、
交際関係の頗る(=すこぶる)広い人であった。
中尉時代は、一年間大蔵省に
財政経済の研究に派遣せられていた>
→ この方こそ、アメリカとの戦の前に
日本とアメリカとの「国力」の差を
冷静に判断した人なのです。
<上級者の不勉強。
上級者(課長、局長級)が仕事を知らないことは、
当時、私のびっくりしたことだった。
どうしてもっと勉強しないのだろうかと思った>
→これは、鈴木が損保時代に
いつも思っていたこと。
課長は、仕事ができないので
課長代理に、いつも「話し」を
聞いていたことを思い出す。
※仕事ができない人は
共通的に、「精神論」に走るきらいがある。
<東条英機大臣の勉強は
あまりに有名である。
私の秘書官時代は、
総理大臣としての書類の他に、
陸軍関係の書類情報など
莫大なものが集まった。
これを私のところで
随分思いっきり整理しても、
書類箱に一杯は必ずあった。
これを夕食後、大臣の許に届けておくと、
翌朝には必ず全部目を通して必要なものには、
処置方針を記入して返された。
だらだらした宴会は極力避けていたので、
これだけ勉強の時間もあったのであろう>
→ これだけ優秀な人だったのに、、、
なぜ、間違った判断をしたのか?
鈴木には、わからない。
でも、今の仮説を言っておくと、、、
こういう時は、正反対の人物を
見つけ出して比較調査するのがいい。
それは、「西郷隆盛」と
「乃木希典(=のぎまれすけ)」
この2人しかいない。
この3人を比較すると、
もっとも顕著な違いは
「最期の死にざま」になる。
西郷と乃木は、自刃した。
しかし、東条は自殺を図るも
運悪く「失敗」した。
鈴木は、「そう」思っている。
※歴史では、絶命寸前の東条を
アメリカの医療団が最高の医術を
持って助命したと言う。
これが、日本の医療団だったら
そんなことはしなかったと思うが、、、
その結果、、、
「おめおめと生き残った」ために
東条は、終生、汚名をかぶることになった。
誠に気の毒だ。(涙)
※東条英機には興味があるので
引き続き、調査していく予定
追伸
昔から、日本は「敗者復活」が
できない国なのです。
失敗したら「腹を切りなさい」という国なのだ。
反対に、アメリカは何度でも
「敗者復活」ができる国。
D・トランプさんは、
3度も「自己破産」したのに、、、
アメリカの大統領になりました。
日本では、絶対にありえないことです。
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