主人公である刑事役の
岡田淮一の暗さがいい。
でも、、やっぱり秀逸なのは
岡田淮一の養婦を演じた
涼子役を演じた安藤サクラだろう。
鈴木は、この女優さんを
初めて見たのだが
その存在感が際立っていた。
冒頭のシーンで
涼子と3人の12歳の子供たちが
仲良く生活をし、暮らしている喫茶店の2階で
大阪ミナミの893と寝ているシーンがある。
バックを流れる悲しげなチェロの旋律。
細々と燃える安物の石油ストーブ。
腰を一生懸命、振る893が
哀れにみえた。
まるで、産卵期のメス鮭が卵を放出して
そこへ精子を振りまくるオス鮭のように見えた。
男の死は近い。
オス鮭が精子を放出した後、死ぬように、、、。
女は、体を開いても
心は開かないと言うが、、、
その無表情の演技に戦慄を覚えた。
彼女は、何を見ているんだろう。
何を感じているんだろう。
しかし、その表情からはみてとれない。
(こんな演技ができる人って
誰って思っていたのだが、、、)
あとで調べてみると、安藤サクラさん。
※奥田瑛二と安藤和津の娘さん。
そういえば、雰囲気が安藤和津と似ている。
でも、そんなことはどうでもいい、、、
彼女の演技はとにかく素晴らしい。
涼子は3人が殺そうとしたが
殺しきれなかった893を自分の意思で殺す。
胸に刃を刺す。
迸る(ほとばしる)893の血。
顔中に血が散らばった
凄惨な面持ちで
3人の子に、こう吠えるのだ。
「いいっ、今日あったことは忘れる。
私とあなたたちは今まで会ったことがない。
わかった、、、」
そして25年後、、、
3人の少年のうちの柄本佑が殺された。
そして、運命のように3人と涼子は
かかわりあっていくのだ。
その25年の間、涼子は893を殺害後、
刑務所に収監され女の赤ちゃんを産む。
その後、交通事故に遭遇し
過去の記憶をすべて忘却するのだが、、、
追伸
過去の記憶を忘却した
涼子の顔の演技も凄まじい。
安藤サクラ
「・・・・・・」
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