施術が終わってから
女性のある患者さんが
申し訳なさそうに、こう聞いてきた。
「先生、実は、小指の
根本のところが痛いんです」
と、言う。
「そうですか。
きっと小指側が下がっているのですね。
ちょっと痛いかもしれませんよ、、、」
と、言いながら、、、
彼女の両方の手首を、
いくぶん、下から持ち上げるように持つと、
「先生、痛いです」と
身をくねるようにしておっしゃる。
「ちょっと、我慢してくださいね。
ここが、下がっていると痛く感じるから」
この箇所をぎゅっと挟んで
上下、左右に動かしているうちに
緩まない、一番硬い箇所が出てくるのです。
その中に、彼女の、痛みの
真の原因になっているところがあるのです。
これを、井本整体では「硬結」という。
ツボではないですよ。
ツボよりももっと凝縮された一点。
自力では、決して緩めることができない
究極の箇所。これが硬結。
ここに当たると、受け手はわかる。
「そこ、そこ」という場所。
呼吸をするたびに、、、
受け手がそこに勝手に
「意識」を集めてくる。
その結果、
だんだんと緩んでくるのです。
その感触を感知しながら
「先ほどよりは、痛くなくなってきたでしょ」
「先ほどに比べて、、、
痛くなくなってきました」
「それは、ここが、
正常な位置に戻ったからです。
先ほど、おっしゃっていた
小指の付け根の痛みはどうですか?」
「楽になりました」
「それは、よかったです」
追伸
文章で書くと、こんな具合になるのですが、、、
実際に、やってみると「難しい」です。
着手、力の集め方、硬結の出し方
角度、時間、、、
それが決まると、ほんとに短い時間で
手首の尺骨(小指側)が上に上がるのです。
骨が上がると、
小指の根本のところの負担がなくなり
痛みがす~っと取れるのです。
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