通勤路に隣接している
小さな公園に
1匹の三毛猫の
野良にゃン娘が住んでいる。
昨年の秋には見かけなかったから
新参者である。
黒と茶のぶちのバランスが
悪いので見た目が不細工だ。
また、目つきが悪い。
女の子だから、生きていくうえで
かなりハンデがあるかもしれない。
だから、野良なのかもしれない。
そうじゃないのかもしれない。
そこのところは、猫じゃないから
わからない。
猫にだって人生(猫生)があるから
いろいろと都合があるはずだ。
このにゃん助は、どういうわけか
鈴木が、この公園を
通りすぎると決まって、
ムクッと起き出して
人目をはばかることなく
背筋を伸ばして
こちらに向かって大あくびをする。
のどちんこが見えるぐらいに
口を大きく開ける。
(あれで、よくあごが外れないな、、、)
そして、鈴木にキラッと
目線を送る。
鈴木は、基本的に小心者なので
にゃん子の目力ビームを浴びても
クラッときて目を伏せてしまう。
すると、こいつは調子こいて
こちらに近づいて来て
鈴木の見定めをするのだ。
「お前は、これから仕事か?
大変だな。まぁ~せいぜい頑張れよ」
と、言っているように感じる。
※コミュニケーションの9割は
言葉ではないのですよ。
雰囲気、視線などが9割です。
そして、数秒見てから
悠然と立ち去ってゆくのだ。
この数秒が長く感じる。
アインシュタインが言う
「時空は伸び縮みする」は
誠に正しい真理なのです。
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