横浜で映画を観る時は
西口の相鉄ムービルを
利用することが多い。
いつでも1,100円で
観れる会員なので
月に3、4度利用している。
6回行くと次回は無料になるのもいい。
鈴木はポイントカードが好きだ。
いつも映画を観る直前に
食事を取ることが多いのだが
たいていムービルの1階にある
パスタショップを利用することが多い。
パスタショップといっても
あなたが想像するような店ではない。
イタリア語で書かれたメニューが
これ見よがしに貼ってある
気取ったショップでもない。
表現が難しいが
昔、よく駅前にあった洋食店と
言った方がわかりやすい。
当然、内装にも
お金がかかっている形跡がない。
だって、1年前
ここは確か中華料理屋だった。
あの頃と比べると
設備、造作は変わっていない。
厨房の位置もいっしょ。
もしかしたら設備、造作丸ごと
引き取ったのかもしれない。
そのためなのか値段が安い。
安いことはいいことだ。
ある日、入店すると
インド系かなぁ~と思う
浅黒(あさぐろ)な男子が水を持って来た。
25歳前後かな、、、
「何にしますか?」と
妙なイントネーションだが
日本語がうまい。
メニューを見ると
スパゲッティと焼き飯しかない。
ナポリタン、和風、カレー味とかあるが
「ナポリタン」にした。
鈴木は、ナポリタンが好きなのだ。
その後も、断続的にお客さんが入ってくる。
男性ばかりだ。若い女性は一人もいない。
男どもはなぜかわからないが
皆、ナポリタンを頼んでいた。
(男は鈴木と同様、
ナポリタンが好きな生き物なんだなぁ~)
と、思った。
そしたら妙に彼らに親近感がわいた。
食べ物の趣味が合っていることは
「仲良し」になるための必須の条件なのだ。
そういえば、以前、付き合っていた彼女とは
食べ物の趣味が正反対ぐらいに違っていた。
うまくいかなかった理由がわかった。
ナポリタンから人生でうまくいく秘訣を学んだ。
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