施術を終えてから、その男性に言った。
「●●さん
無理に歩かなくても、いいと思います」
「えっ、いいんですか?」
「前に、奥さんといっしょに
歩くのは苦痛だと、
おっしゃっていましたよね?」
「そうなんです、、、(長い間)
でもね、先生、、、、
妻が私の体のことを
気遣って歩こうと誘ってくれている
妻の気持ちも、よくわかるのです」
「そうですよね、、、わかります。
確かに、、、歩くことは、
いいところもあると思いますけど、、、
でも、楽しくないんですよね」
「(しょんぼりしながら)そうなんです、、、」
そんな姿を拝見していて
(結婚してから、50年近く経っているはずだ。
結婚、商売の開業、お子さんの出産
親との死に別れ、孫の出現、、、
いろいろなことがあったんだろう。
でも、この2人の結びつきの強さ。
思いやる心。
外部の人間(=鈴木)が、
整体指導者だからといって
無闇に、●●するな、とは言ってはいけない」
つい、こんなことを思った。
「それなら無理して散歩することは
ないと思いますけど、、、」
「・・・・・でも、歩かないと
ダメなんでしょ」
「そんなことないですよ。
でも、なんでそう思うのですか?」
「テレビを見ていると
歩かないと認知症になるとか
歩く習慣が身に付かないと
年取ってから歩けなくなるっていうでしょ、、、」
「そういうのも、一般的にはあるかもしれない。
それは、認めるけど、、、
でも、今現在、どうですか?
以前より、歩けなくなっていらっしゃいますか?
認知症の傾向が出ていらっしゃいますか?」
「ん~ん、今のところ、、、
平気かなぁ~」
「テレビは、ただ、平均値を言っているだけ。
視聴率が欲しい
スポンサーとの関係
が、あって言っているだけで
歩かなくても、元気な人は元気なのですよ。
つまり、テレビが言っていることは
真実を語っていないのです。
歩かなくても、元気な人は
この日本には、たくさんいらっしゃるのです。
そう、私は、思うけど、、、」
「・・・・・・」
追伸
極端な例かもしれませんが、、、
先日、世界的な宇宙物理学者
S・ホーキングが亡くなりました。
彼は、学生の頃に
筋萎縮性側索硬化症(ALS)に冒されました。
歩くこともできない、
しゃべることも
機械なしにはできない。
しかし、彼は、そんなことにお構いなく
次々と画期的な研究を発表してきたのです。
ある仏教の教えに、
こういうのがあります。
「生まれてくるということは
親指の爪に砂をのせた後で
その親指を左右に振って
残った砂の一粒のようなものだ」と。
※生きてくるだけで「すごい」ことなのです
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