今日の話はできればしたくない。
その時のことを考えると
冷や汗が背中をす~っと落ちる。
(なぜ、あの時、
そんなことをしたのだろう)と。
今から21年ほど前のこと。
先日も、話をしたが
当時、副業として
派遣のウェイターをしていた。
その日は、横浜中華街にあった
ホテルでの仕事であった。
ちなみにそのホテルはもう無い。
今は、高層マンションだ。
そのホテルのレストランはフレンチ。
ランチは1000円という
超破格な値段で
スープ、メイン、パン、
デザート、コーヒーを出していた。
また、このレストランはホテルの
メインダイニングだったので
イギリスが世界の
超覇権国だったころの
家具、食器、造作をあつらえていて
その道の素人の鈴木から見ても
ゴージャスなのだが
金を積んでどうこうという
下品なところがない、という
とても、バランスに優れている
シックなお店だったのです。
※いろいろなお店に
派遣されているので
目が肥えたのだと思う。
そのため、何となく
そのお店の良しあしを
瞬間に感じるようになっていました。
そのレストランへ毎日のように
おみえになる初老の男性がいた。
この方は、スープを召し上がる前に
必ずコーヒーを1杯たしなまれる。
それがわかっているので
その方がお席に座って
しばらくしてコーヒーを
その方の好みのカップで持って行った。
※意趣趣向を変えたカップが
たくさんあった。
その後、その方がお帰りになってから
マネージャーに
「鈴木くん、ちょっと」と、呼ばれた。
マネージャー「鈴木君、あれはないよ」
鈴木「はぁ~、、、なんですか?」
マネージャー「ん~ん、君は気づいていないみたいだね。
さっきの方は、帰り際、私にこう言って帰られた」
お客さん「今日、私のテーブルを担当した子は
(鈴木のことです)気がそぞろになっていたみたいだね」
マネージャー「なにか失礼なことをしましたか?」
お客さん「いつもより、ソーサーの置き方が
がさつで乱暴だったね」
※ソーサーとは、コーヒーカップの受け皿
その後、このレストランへ
派遣されなかったので、
※つまり、クビということ
この初老の紳士が再びこのお店に
来てくれているかはわからない。
追伸
このように、たったこれだけのことで
信頼関係は終わるのです。
鈴木からすれば、
(えっ、ソーサーの置き方で、、、)
なのだが、
それを受けた方は、
「そう」は思わないのです。
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