長くお見えになっている患者さんのご紹介。50代、女性。
操法の前に書いていただいた、申し込みの紙には、
腰痛、肩こり、首の痛みと、書かれている。
「ところで、今は、どこが一番、辛いのですか?」
「右の腰です」と、言って、腰の上の部分を指さす。
※この方のように、「痛い」箇所をはっきりと
指さすことができる方は、あまり「重症」ではない。
反対に、一番、治りにくいのは、体が鈍い方。鈍感な方。
「これなら、わずかの操法で、変化すると思います」
お体(お尻、お腹、胸の下がり)を観察していくと、、、
・左側のお尻に力がない
・右側のお腹に力がない
・左胸が下がっている
この3点に絞って操法をする。
まず、取りかかったのが左のお尻の箇所。
そこに力を付けるべく操法をしていく。
すると、鈴木が押さえている左側のお尻の箇所に
患者さんの意識(=気)が集まって来ない。
速度を早めて、操法を行うが、気が集まって来ない。
※右の腰が痛いのは、「右の腰」が原因だと思っている。
よもや、左のお尻のせいだとは思っていないから。
「あなたの右の腰が痛いのはここの力が抜けたから。
ここに、力がついてくれば右の腰は楽になります」
次第に、意識(=気)が集まり体が緩んできた。
すると「楽になってきた」と、おっしゃる。
「そうですか。それは、よかった」と共感する。
「では、あおむけになってください」と、言うやいなや、、、
お腹の力が入らないところを、ぎゅっと強めに押さえる。
※彼女の場合は、お腹の左側の真ん中(へそから5センチ)
脈が打つまで、押さえている最中に
「腰が、少し、楽になってきましたか?」とあえて聞く。
すると、「そうだ」とおっしゃる。
このように、新規でお見えになる患者さんには、現在、
抱えている症状が少しでも「楽になる感じ」を
体感させないと納得はしないのです。
「痛み」の改善に鈴木のところに来ているのだからね。
そして、患者さんの鈴木に対する「信頼残高」を
操法のたびに少しづつ上げてゆくのです。
つまり、ここへ来れば、楽になるんだとの「安心感」を
与えることができれば、信頼関係が構築される。
そうすると、患者さんは、勝手に治ってゆくのです。
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