今日は、整体の修業(3)
以下、「」は、、、
塩野米松さんの著書
『失われた手仕事の思想』から
引用しています。
「言葉に頼ると、感覚は磨かれない」
開業したばかりだった頃
※入門してから5年目の7月3日に開業
鈴木は、、、
それまでに先生から習っていたことを
箇条書きにしたポストイットを
道場のバックヤード、自宅に張りつめていた。
毎日、それらを見ているので
鈴木の整体に関する「知識」は
きっと今までで最高だったろうと思う。
こんな患者さんが来たら、
「ここ」をやればいいのだと、
わかるのですからね。。。
確かに、そのマニュアル通りの人が
お見えになってくれれば
それで間違いはないのですが、、、
実践の場では何の役にも
立たないことが多いのです。
それどころか反対に
弊害になることが多いからなのです。
その理由は、後で書いてみます。
その前に、1つ例を出します。
その頃、ある70代の女性が
右のひざが痛いと言って
お見えになったのです。
「ひざの痛み」の時には
腰椎3番を調整すると
理屈で知っていたので
自信を持って腰椎3番を捉えました。
すると、次回、お見えになった時に、、
「先生、あれから余計に痛くなりました」と。
その時は、、、
(そんなことあるわけない)と思った。
追伸
その後、ようやく気付くのですが、、、
腰椎3番の異常で
ひざが痛くなるのは
確かにそうなのです。
でも、それは、腰椎3番に
硬結があるかどうか?によるのです。
つまり、硬結がある箇所を
調整しなければ、効果はなく
その結果、ひざの痛みは
軽減されることはありません。
いい方を変えれば、、、
硬結とは、相手がここが急所です
と、教えてくれている箇所とも言えるのです。
でも、、、
その頃の鈴木は、
学問の整体をしていて
生きている生命に対して
頬かむりをしている状態だったのです。
「言葉に頼ると、感覚は磨かれない」
この通りだったのです。
参照:『失われた手仕事の思想』
著者:塩野米松さん
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