蝉が1匹
店頭で死んでいた。
仰向けになって
四肢を丸めていた。
眼には力がなかった。
油蝉だろう、、、
生前は「ジージー」と
この辺りで鳴いていたのだろう。
その鳴き声を
鈴木はクーラーで冷やした
快適な道場で聞いていたのだ。
きっと、、、
なんだか申し訳ないような気がした。
脚をつまんで真向かいの
マンションの植え込みに葬った。
できることはそれぐらいしかない。
追伸
人もこの蝉のように丸まって死ぬ。
以前、井本先生は
「背骨の弾力が生命力」と、
おっしゃっていたが、、、
ちょっと背骨を反らしてみた。
関連記事
- 2017.05.19
前の日にすべて準備しておく - 2014.08.02
盲亀浮木(もうきふぼく)の譬え - 2019.12.27
師匠に学んだのは呼吸 - 2018.10.30
大村益次郎と豆腐の話し - 2014.06.19
ドボドボと、、、 - 2019.03.08
病人の眠り