2018/12/17(月)8:12
鈴木が、寒い中、
重装備で必死になって歩いているのに
反対側の歩道を
Yシャツ1枚ですたすたと
登校する男子中学生がいた。
(おい、おい、、、
今は、夏じゃないんよ)
と、声を掛けたくなるが、、、
「長いものには巻かれるべし」
が、人生の処世訓の鈴木は
声を掛けることなく、、、
今、いる歩道から
わざわざ反対側の歩道に
ひっそりと移動する。
そして、彼の、
3メートル後方についた。
当然、体を後ろから見るためである。
Yシャツ1枚でも、さすがに今は冬だ。
彼が半袖じゃなくて
長袖でよかった、と、
なぜか安堵する。
身長は鈴木と同じぐらい。
体重は、自分より「重い」ように感じる。
なぜ、そう感じるかは「不明」
銀メタル系の渋いメガネをしている。
リュックは、鈴木のより
レベルが「いい」ものだ。
(若いころからの
ぜいたくはいかんぞ)
と、思う。
その瞬間、親御さんのことを
想像してしまう。
100平米ぐらいの一戸建てに住み
弟か妹がひとりいる。
父親は、都心に通うサラリーマン。
母親は、基本、主婦だが
家計の足しにパートを考えている。
と、ぱっと脳裏に浮かぶ。
そして、そのメガネの子を
後ろから見ると
「猫背」なのです。
つまり、このYシャツ1枚君は好きで
こんな恰好をしているのでは、
無いのだと思うのです。
※寒くなければ「猫背」にはならない
なら、なぜ、Yシャツ1枚君は
そんな格好をするのか?
不思議に思い、彼が通う中学まで
追跡調査をすることにした。
※道場までは、最短距離ではないが
寄り道することにした。
中学ルートを通ると、
5分多く時間がかかる。
Yシャツ1枚君の
歩くスピードはかなり速い。
付いていくために
鈴木も、歩くスピードを
いつもの倍速にする。
彼が歩くスピードが速いのは
寒いためだろう、と思う。
中学校まで、尾行してから5分。
その間、彼に話しかける人もいない。
(今時の中学生はこんなのだろうか?)と。
鈴木も、中学はここの出身なので
昔のことを思い出してみた。
朝になると、友人が
「おいっ、鈴木、おはよう」と言って
自宅に来てくれ、いっしょに
通学したものだが、、、
何ともわからない。
このYシャツ1枚君
結局、中学校に行くまでに
誰とも話しもせず、
誰にも、話しかけられなかった。
追伸
中学校に入っていく
彼の後姿を見た。
中学生のくせに
「これから頑張ってきます」と、感じた。
頑張らんでもいいがな。。。
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