ある女性の患者さん。
※年齢は、情報保護の観点で書けない
「先生、座っていると
右の尾てい骨が刺されるように痛い」と、言う。
すぐに「うつぶせ」になってもらい
その箇所を触診しながら、、、
「その痛みは、寝ている時には
感じますか?」とお聞きする。
「ん~ん、どうかな、、、
寝ている間は、痛くないような気がする」
それを、聞いて、まずは一安心。
ほんとに「ひどい」時は、
寝ている間に、急激な痛みで
目を覚ますからなのです。
※心筋梗塞のような「生命」を
おびやかす症状の時は
寝ている最中に急激な痛みが起きる。
つまり、この方の尾てい骨の痛みは
夜中に痛みがないのだから、、、
あまり重篤なものでは「ない」と判断できる。
しかし、そうだからといって
放っておくわけにはいかない。
それで、診てみると、、、
右の尾てい骨が左と比べて
やせており、下がっているのが顕著だ。
とりあえず、右の坐骨を「上げる」。
そのために、右手の親指の腹で
右の坐骨を、大きく、速く、さすっていると
「うっ」という痛みの箇所が出てくる。
「ここですね。
少し痛いでしょ。
痛いということは、
働きが出たという証拠なのです」
と、言いながら、腰に向かって
一気に持ち上げていくのです。
※鈴木は、圧痛点をとらえて
ちょっと痛いよ、と言っただけなのですが、、、
このように敏感な人は、
鈴木が言った「痛いですよ」を
勝手に信じ込み、
と、いうか「痛い」箇所を
実際につかまえているので
かなり痛いのです。
すると、ここまでで
確かに、鈴木のいう通りだった。
と、思いなおす。
そして、心の底では、
なぜかはわからないが
安心感がわいてくるのです。
「先生、痛いよ、、、」
「ちょっと我慢してね。
ここをやると痛いけど、あとが楽になるからね」
この間、3秒くらいでしょうか、、、
この3秒の間に、勝手にその先を
想像してくれるのです。
今は、痛いけど
これを我慢すれば「痛くなくなる」と
思ってくれるのです。
再び、この右の坐骨をさわりながら
「もう、痛くないと思うけど、、、」
「あれっ、、、不思議だ。
痛くないです」
「よかったですね」
追伸
でも、これでは施術は終わらず、、、
なぜ、彼女の場合、
右の坐骨が下がったか?
そのほんとうの理由を探し出して
ゆくのです。
そこを調整しておかないと
また、右の坐骨が下がるからね。
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